年収別に考える!分譲住宅を購入する際のローンの目安とは?
住宅はほとんどの方にとって、人生の中で一番といっていいほどの大きな買い物だと思います。住宅ローンを利用する方が多いと思いますが、金額も大きいだけに不安になりますよね。中にはどのくらいのローンを組むべきか、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。今回は、住宅ローンの金利や年代別にローンの目安などを解説します。
住宅ローンと金利の種類
まずは住宅ローンと金利の種類についてご紹介します。
住宅ローンの種類
住宅ローンは借入先によって「民間融資」「公的融資」「協調融資」の3つに分けることができます。民間融資は、銀行や信用金庫などの民間金融機関が取り扱っている住宅ローンです。さまざまな種類があり、内容は各機関や商品によっても異なります。公的融資は国や自治体などが行う住宅ローンで、利用するためには所定の条件を満たす必要があります。協調融資は民間融資と公的融資の中間に位置する住宅ローンであり、代表的なものは住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して行っている「フラット35」でしょう。
金利の種類
住宅ローンを選ぶときにもっとも気になるのが金利ではないでしょうか。主なものは「変動金利型」「固定金利型」「固定期間選択型」の3つになります。
変動型は、定期的に金利が見直され市場金利の動きにともない利率が変わるタイプです。金利が上昇すれば返済額も増えるわけですが、家計への影響を考え、見直し後の返済額が前回の1.25倍を超えないように設定されています。固定金利型よりも金利が低いことが多いので、金利の上昇に対応できる方にはよいでしょう。
固定型は、借入期間中を通して当初の金利から変わらないタイプです。市場金利の影響を受けず、返済額が一定のため返済計画が立てやすいメリットがありますが、変動金利に比べて金利が高めです。
変動金利型と固定金利型の中間のようなタイプが固定期間選択型です。借入時に選択した一定期間(5年・10年など)は固定金利となり、その期間の終了後は商品によって異なりますが、変動金利型や再び固定金利型を選べるケースもあります。
【年収別】分譲住宅購入した場合のローンの目安
住宅ローンは長期にわたって支払いが続くので、借り入れられる金額や毎月の返済額が気になりますよね。住宅の購入資金の目安は、住宅購入資金÷世帯年収で求められる年収倍率で見ることができます。住宅金融支援機構が公表している「2021年度フラット35利用者調査」によると、新築建売住宅の年収倍率は7.0倍、中古戸建住宅は5.7倍となっています。
年収400万円の方が新築建売住宅を購入するなら2,800万円、中古戸建住宅なら2,280万円が目安となります。年収600万円の方なら、新築建売住宅の場合は4,200万円、中古戸建住宅は3,420万円です。この金額はあくまでも目安であり、頭金として平均10~20%程度を用意している方が多いので、実際に住宅ローンとして借り入れる額はこれよりも少ないことが予想されます。
住宅金融支援機構の同調査によると、1か月当たりの予定返済額÷世帯月収で求められる返済負担率は、新築建売住宅と中古戸建て住宅で平均20~25%程度が目安となっています。年収400万円の方では毎月の返済額は6.6~8.3万円、年収600万円の方なら毎月の返済額は10~12.5万円が目安となります。賃貸物件に住んでいる場合、毎月の返済額と家賃を比較すると思いますが、住宅ローンの返済だけではなく、固定資産税や住宅の修繕費などのランニングコストも念頭に置いて考えましょう。
住宅ローンの利用は計画的に!
分譲住宅での購入で住宅ローンを利用するときは、まず事前審査(仮審査)を申し込みます。本人確認の書類や源泉徴収票などの収入を証明する書類が必要になる場合が多いので、前もって準備しておきましょう。事前審査の結果はこれまで数日~1週間程度で分かることが多かったのですが、インターネットの普及などにともない即日結果が出るということも増えてきました。承認されれば本審査の申込みを行います。本審査は事前審査よりも内容が細かくなり、必要書類が増えることもあります。
住宅ローンの審査は返済能力を問われるので、年収や勤続年数はもちろん、完済時の年齢や健康状態なども重要な審査項目となっています。本審査の結果は、通常1週間~2週間程度が目安とされています。事前審査を通過していれば、本審査で落ちてしまうということはあまり多くありませんが、必ず通るともいえないので、万が一の場合も考えて備えておきましょう。
まとめ
住宅ローンにはいくつかの種類があり、とくに民間融資では提供する金融機関などよってさまざまな商品があります。金利の種類が違えば、最終的に支払う総額も大きく変わってきます。毎月の返済額だけではなく、ランニングコストも忘れてはいけません。自分の年齢やこれからのライフステージを考慮しながら、返済期間や金利を選びましょう。無理のない資金計画をしっかりと立てることが大切です。