完成前の分譲住宅を購入するときに注意するポイント

不動産会社が購入した広い土地を分割して建築した住宅である分譲住宅。以前は広い土地に画一的な見た目の住宅が立ち並んでいて「無個性」といわれることも多くありましたが、最近では外装・内装どちらも違いがある住宅も各地で見られるようにもなりました。そんな分譲住宅を完成前に購入する際には、どんな点に気を付けたらよいのでしょうか。

利便性が高く予算が立てやすい住宅

分譲住宅ならではのメリットはいくつかあります。まずは、完成前も完成している住宅でも実際に確認してから購入できる点です。収納のスペース・日当たりのよさなど生活に大きくかかわる要素をチェックできるのは大きな強みです。

次に、他の一戸建てと比べて費用が比較的安いことがあります。ハウスメーカーなどは資材を一度にまとめて購入して効率的に工事を行っているため、同じ仕様で注文住宅をつくるよりも割安な費用になるのです。注文住宅よりは費用を確実に抑えられるといえるでしょう。

マイホームは一生に一度の大きな買い物です。人によってはなるべく費用を抑えたい場合もあるでしょう。費用が安ければ将来のお金の心配が軽減されて予算も立てやすいというメリットにもなります。購入に必要な費用が事前にわかるので前もって用意しておけます。

家族で住む場合利便性の高い生活を送ることも充分可能です。一般的に畑や田んぼだった土地を分けて住宅を建築するため、街中から少し離れた場所になる傾向にあります。人によっては生活が不便になるイメージもあるかもしれません。

しかし場合によっては一緒に学校や病院、スーパーなども建設されることもあります。アクセスのよい場所を選べばむしろ生活が便利になる可能性もあります。これらのメリットは自分自身や家族に安心感を得られる魅力があります。安さだけでなく快適な生活環境の中で過ごしたいと考えている方にもよい選択肢となります。

希望に近い住宅を比較・検討しよう

分譲住宅は建売住宅とも呼ばれていますが、ほとんど同じ意味と考えていいです。どちらも住宅を建ててから土地と建物を販売します。一つだけ異なる点は売り出し方です。既存の住宅の間に一軒だけ販売しているのは建売住宅と呼びます。築年数が古く売るのが難しいと考えた売主が壊して新たに建て直して売りに出します。

そのため建売住宅は一軒で広告が出されています。分譲住宅は土地を分割して番号をつけてまとめて広告を出します。分譲住宅では土地の広さが確定してある場合が多いです。庭を狭くしたり広くしたりといった要望を通すことは難しいでしょう。

購入する前は土地の広さが利用に近いかどうかあらかじめ確認しておくことが大切だといえます。完成前の住宅でも同様です。間取り・内装・外装もあらかじめ決まっているので希望する間取りやデザインにはできません。もし自由にカスタマイズしたいなら注文住宅も視野に入れましょう。

フルオーダーメイドの注文住宅だけでなくセミオーダータイプもあります。近年ではある程度間取りが選べる住宅も増えてきているため、暮らしに合った間取りは選択できます。プロが設計したおしゃれな景観も展開されており、以前よりデザイン性の高い住宅に住めます。

住宅を建てる前にチェックしておこう

分譲住宅はすでに間取りなどの大きな部分が決まっており、自分のライフスタイルに合わせて設計できません。すでに決まっている間取りやデザインを見てライフスタイルに合うかどうかをしっかりと見極めましょう。

学校や病院などが近いか立地の面も要チェックです。どうしてもつくりが不安なら完成前に住宅診断を検討する方法もあります。住宅診断を依頼すると建築に詳しい専門スタッフが住宅の欠陥などの有無を判断してくれます。しかしすでに完成している住宅は建築材料や工事方法を把握するのは難しいでしょう。住宅診断は契約前に行ってください。

もし欠陥が見つかったら、該当部分を修理して納得したら購入したいと交渉することが可能です。忘れずアフターサービスもチェックしておきます。購入前に充分に検討していても住み始めた後に何かしらの不具合が出てくることもあります。アフターサービスが充実した建築会社なら不具合が出てもすぐに連絡して対応してもらえます。

そして、周囲の環境にもくまなく目を向けてください。最寄り駅までのアクセス、公共施設、治安のよさなど生活するうえでの大事な要素がいくつかあります。お子さんがいるなら学校への登校のしやすさや安全性を確認します。環境は時間帯によっても変わってきます。昼間はよい環境に見えても夜は近隣がとても暗くなる可能性もあります。仕事などで帰りが遅くなる方は、夜も安心して帰れる環境かどうかチェックしましょう。

分譲住宅は注文住宅よりも費用が安めですが、それでも大きな買い物です。生涯住むつもりなら後悔しないためにも自分と家族が納得できる家を選びたいものです。すでに完成している住宅なら実物を見学できます。空いた時間にでかけてみて、家のつくり(欠陥や施工ミス)が問題ないか隅々までチェックしてください。建物や土地だけでなく、エリアの利便性や住環境も大切です。お子さんがいる家庭なら校区の確認や街灯の有無なども確認しておくとより安心です。